持続化補助金の災害支援枠2026|能登・熊本の公募状況
制度・仕組み
公開: 2026年9月11日
更新: 2026年9月11日
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この記事の結論
小規模事業者持続化補助金には、一般型 通常枠のほかに創業型、共同・協業型、そして災害支援枠があります。災害支援枠は、対象となる災害ごとに公募が立てられるのが特徴で、いま公募されているものがどの災害を対象にしているのかを最初に確認する必要があります。
災害支援枠は通常枠とは別に公募される枠
小規模事業者持続化補助金には、一般型 通常枠のほかに創業型、共同・協業型、そして災害支援枠があります。災害支援枠は、対象となる災害ごとに公募が立てられるのが特徴で、いま公募されているものがどの災害を対象にしているのかを最初に確認する必要があります。
2026年9月11日時点で、公式サイトから公募の存在が確認できるのは次の2系統です。1つは令和6年能登半島地震等を対象とするもの、もう1つは令和8年熊本地震を対象とするものです。いずれも商工会地区・商工会議所地区それぞれの公式サイトに専用ページが置かれています。
まず確認する3点
- 自社の被害が、どの災害を対象とする枠に当てはまるのか
- 自社の事業を営む場所が商工会地区か商工会議所地区か。地区によって事務局も公式サイトも異なります
- その枠の公募要領に書かれた補助率・補助上限額・対象経費・締切
本記事は公式サイトで確認できた公募状況と、一般型 通常枠との関係を中心に整理しています。災害支援枠の補助率や補助上限額は本記事作成時点で確認できていないため記載していません。金額は各枠の公募要領で確認してください。通常枠の全体像は持続化補助金の完全ガイドにまとめています。
2026年9月時点の公募状況
公式サイトおよび制度まとめサイトで確認できる災害支援枠の公募状況は次のとおりです。日付は変更されることがあるため、必ず各サイトで最新の案内を確認してください。
| 対象となる災害 | 公募 | 受付開始 | 公式サイト |
| 令和6年能登半島地震等 | 第10次公募 | 2026年7月27日 | 商工会地区 www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/saigai/ |
| 令和8年熊本地震 | 第1次公募 | 2026年9月16日(予定) | 商工会地区 www.jizokukanb.com/jizokuka_r6h/saigai/kumamoto//商工会議所地区 r6.jizokukahojokin.info/kumamoto/ |
能登半島地震等を対象とする枠は第10次まで公募が重ねられており、災害の発生から相当の期間が経過したあとも継続して公募が立てられていることが分かります。一方、熊本地震を対象とする枠は第1次公募が始まる段階です。第1次公募は受付開始日が2026年9月16日と案内されており、本記事の作成時点ではまだ受付が始まっていません。
災害支援枠は、対象となる災害ごとに公募番号の数え方が独立しています。「第10次」と「第1次」は別の系列の番号なので、回数の大小に意味はありません。自社が当てはまる災害の系列を確認してください。
持続化補助金の4つの制度を並べて確認する
災害支援枠を検討する前に、持続化補助金という名前で公募されている制度の全体像を押さえておくと、情報の取り違えを防げます。2026年9月時点で公募状況が確認できるのは次の4つです。
| 制度 | 申請者 | 公募の状況(2026年9月11日時点) | 通常枠との同時申請 |
| 一般型 通常枠 | 小規模事業者等(本人) | 第20回。2026年11月5日受付開始、2026年12月15日17時締切 | 該当なし |
| 創業型 | 創業後間もない小規模事業者 | 第4回。受付締切は2026年12月15日 | 不可(通常枠 公募要領 P.5) |
| 共同・協業型 | 地域振興等機関 | 第3回。2026年8月14日受付開始、公募要領第6版 | 本記事作成時点で未確認 |
| 災害支援枠(令和6年能登半島地震等) | 被害を受けた地域の小規模事業者 | 第10次公募。2026年7月27日受付開始 | 可能(第19回よくあるご質問 Q2-10・参考情報) |
| 災害支援枠(令和8年熊本地震) | 同上 | 第1次公募。2026年9月16日受付開始予定 | 同上 |
制度ごとに公募要領も申請サイトも別で、電子申請の方法さえ揃っていません。たとえば共同・協業型はJグランツを使いますが、一般型 通常枠は専用の電子申請システムを使い、郵送は一切受け付けられません(通常枠 公募要領第8版 P.3)。解説記事や知人の体験談を参考にするときは、それがどの制度のどの回の話なのかを必ず確認してください。
それぞれの詳細は創業型の記事と共同・協業型の記事で扱っています。
公式に確認できたことと、確認できていないこと
災害支援枠は情報が分散しており、古い回の条件がそのまま解説されている例も見られます。本記事で確認できた範囲を明示します。
| 項目 | 2026年9月11日時点の状況 |
| 令和6年能登半島地震等を対象とする枠の存在と専用ページ | 確認できた |
| 同 第10次公募の受付開始日(2026年7月27日) | 確認できた |
| 令和8年熊本地震を対象とする枠の存在と専用ページ(商工会地区・商工会議所地区の両方) | 確認できた |
| 同 第1次公募の受付開始予定日(2026年9月16日) | 確認できた |
| 一般型 通常枠との同時申請の可否(同時申請は可能) | 確認できた(第19回よくあるご質問 Q2-10。参考情報) |
| 通常枠の能登半島地震等に伴う加点との関係(同地震の災害支援枠に申請中は選択不可) | 確認できた |
| 補助率 | 本記事作成時点では公式に確認できていない |
| 補助上限額 | 本記事作成時点では公式に確認できていない |
| 対象経費の区分 | 本記事作成時点では確認できていない |
| 対象となる地域・被害の範囲の定義 | 本記事作成時点では確認できていない |
| 受付締切日・補助事業実施期限 | 本記事作成時点では確認できていない |
被災された事業者にとって、補助率と上限額は資金繰りに直結する情報です。だからこそ、確認できていない数値を推測で書くことはしません。各枠の公募要領を開いて、対象地域の定義、被害を証明する書類、補助率、上限額、締切の5点を確認してください。
一般型 通常枠との同時申請はできる
ここは実務上とても重要な確認事項です。災害支援枠は、一般型 通常枠と同時に申請することが可能です(第19回よくあるご質問 Q2-10。参考情報)。同じ持続化補助金の枠でも、創業型は通常枠と同時申請できないと定められており、扱いが異なります(通常枠 公募要領第8版 P.5)。
| 組み合わせ | 同時申請の可否 | 根拠 |
| 一般型 通常枠 と 災害支援枠 | 可能 | 第19回よくあるご質問 Q2-10(参考情報) |
| 一般型 通常枠 と 創業型 | 不可。創業型に申請中または採択済みの事業者は通常枠の補助対象外 | 通常枠 公募要領第8版 P.5 |
| 一般型 通常枠の同一受付締切回への複数応募 | 不可。応募は1件のみ | 通常枠 公募要領第8版 P.22〜23 |
ただし、同時に申請できることと、同じ経費を二重に補助してもらえることはまったく別です。一般型 通常枠では、国の他制度と同一・類似内容の事業は対象外と定められており(P.7)、同一事業者が同一内容で国の他の補助事業と併用することはできないとされています(第19回よくあるご質問 Q3-5。参考情報)。公式サイトでは、同じ店舗改装費を持続化補助金と他の補助金の両方で受給する行為が不正受給の例として明示されています。
経費の切り分けは自己判断しない
災害支援枠と通常枠の両方に申請する場合、それぞれの取組と経費が明確に分かれている必要があります。どこまでが別の取組と言えるのかは書面審査で判断されるため、申請前に商工会または商工会議所の窓口へ、両方に申請する意向と各申請の内容を伝えて確認してください。発覚した場合の処分は交付決定取消と返還命令にとどまらず、不正内容の公表や罰則の対象にもなります。
通常枠の加点と災害支援枠の関係
一般型 通常枠には、災害や事業環境の変化に関係する加点が用意されています。加点は【重点政策加点】と【政策加点】から最大1種類ずつ、合計2種類までしか選べません。3種類以上を選ぶと加点の対象外になるため、組み合わせには注意が必要です(通常枠 公募要領第8版 P.32〜41)。
| 加点の名称 | 分類 | 対象 |
| 令和6年能登半島地震等に伴う加点 | 政策加点 | 石川県・富山県・新潟県・福井県の事業者。直接被害・間接被害の区分あり |
| 東日本大震災加点 | 重点政策加点 | 福島県12市町村に所在する事業者、または太平洋沿岸部の水産仲買・加工業者 |
| 事業環境変化加点 | 重点政策加点 | 原油・LPガス高騰、米国相互関税等の影響を受けている事業者 |
| 過疎地域加点 | 政策加点 | 過疎地域に所在する事業者 |
| 赤字賃上げ加点 | 重点政策加点 | 賃金引上げ特例の赤字事業者に適用 |
能登半島地震等の加点には制限がある
「令和6年能登半島地震等に伴う加点」は、同じ地震を対象とする災害支援枠に申請中の場合は選択できません。つまり、能登半島地震等の災害支援枠に申請しながら、通常枠でも同じ地震を理由とする加点を取るという組み合わせは認められないということです。
この場合、通常枠の側では【政策加点】の枠を別の加点にあてることになります。政策加点には賃金引上げ加点、地方創生型加点、経営力向上計画加点、事業承継加点、過疎地域加点、一般事業主行動計画策定加点、後継者支援加点、小規模事業者卒業加点、事業継続力強化計画策定加点、地域別最低賃金引上げ加点といった選択肢があり、それぞれ証憑書類が必要です。加点ごとの要件と書類は加点項目の記事で整理しています。
なお、加点は基礎審査と計画審査を通過したうえで政策的観点から評価される段階の仕組みです。通常枠の審査は非公開の書面審査でヒアリングはなく、基礎審査の4要件を満たさない申請はその時点で失格になります(P.32〜41)。加点だけを意識して計画の中身が薄くなると本末転倒です。審査の構造は審査基準の記事を参照してください。
商工会地区と商工会議所地区でサイトも事務局も違う
持続化補助金は、事業を営む場所の市区町村によって商工会地区と商工会議所地区に分かれ、事務局も公式サイトも別になります。本社の登記地ではなく、事業を実施する場所で判断します。災害支援枠でも同じ考え方が当てはまり、熊本地震を対象とする枠では商工会地区と商工会議所地区それぞれに専用ページが用意されています。
| 区分 | おもな該当地域 | 事務局 | 通常枠の公式サイト |
| 商工会地区 | おもに町村 | 株式会社ニューズベース/全国商工会連合会/各地商工会 | official.jizokukanb.com |
| 商工会議所地区 | おもに市 | 株式会社日本経営データ・センター/日本商工会議所/各地商工会議所 | r6.jizokukahojokin.info |
市区町村によっては両方が混在する地域もあります。どちらの地区か分からない場合は、地域の商工会または商工会議所に問い合わせてください。地域の商工会議所は日本商工会議所の検索ページから、都道府県商工会連合会は全国商工会連合会のページから探せます。地区の判定については商工会と商工会議所の違いの記事で詳しく扱っています。
地区を取り違えると、案内されている手順も提出先も合わなくなります。被災後の限られた時間の中で二度手間を避けるためにも、最初に地区を確定させてください。
災害支援枠に当てはまらない場合に通常枠でできること
災害支援枠の対象地域や被害の要件に当てはまらない場合でも、一般型 通常枠であれば販路開拓等の取組に対する補助を受けられる可能性があります。通常枠は第20回の公募要領第8版で内容が確定しているため、数値をもとに計画を立てられます。
| 項目 | 一般型 通常枠 第20回の内容 |
| 補助上限 | 基本50万円。インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方で最大250万円 |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例に該当する赤字事業者のみ3/4) |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日 17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃予定 |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日 |
被災後の再建で注意したいのが、通常枠の対象経費のルールです。不動産の購入費・取得費・修理費は対象外とされ、老朽化した設備の単純な取替えも対象外です。機械装置等費も、取替え更新のみを目的とするものは対象になりません(P.11〜21、P.18〜20)。つまり「壊れたものを元どおりにする」費用は、通常枠の枠組みでは想定されていません。
通常枠が支援するのは販路開拓等の取組とそれに伴う業務効率化です。被害を受けた事業を立て直すにあたって、新しい販路や新しい商品に取り組む計画であれば、その部分が対象になり得ます。原状回復の費用については、災害支援枠や他の支援制度が当てはまらないかを窓口で確認してください。対象外の経費は対象外経費の記事にまとめています。
なお、通常枠には【重点政策加点】として事業環境変化加点があり、原油・LPガス高騰や米国相互関税等の影響を受けている事業者が対象とされています(P.32〜41)。災害そのものではありませんが、外部環境の変化を理由とする加点が用意されている点は押さえておいてください。
災害支援枠の情報を自分で確認する手順
災害支援枠は公募ごとに条件が設定されるため、次の順序で一次情報に当たってください。
| 順番 | 確認すること | 確認先 |
| 1 | いま公募されている災害支援枠と、対象となる災害を把握する | 制度まとめサイト matome.jizokukahojokin.info |
| 2 | 自社の事業を営む場所が商工会地区か商工会議所地区かを確認する | 地域の商工会または商工会議所 |
| 3 | 該当する地区の災害支援枠のページを開き、公募要領をダウンロードする | 商工会地区 www.jizokukanb.com/商工会議所地区 r6.jizokukahojokin.info |
| 4 | 対象地域・被害の要件・必要な証明書類を確認する | 同上 |
| 5 | 補助率・補助上限額・対象経費・受付締切を確認する | 同上 |
| 6 | 一般型 通常枠にも申請するかを決め、経費の切り分けを窓口に相談する | 地域の商工会または商工会議所 |
被災直後に急ぎたくなるところですが
- 被害を示す書類(り災証明等)の取得には時間がかかることがあります。何が必要かを先に確認してください
- 通常枠では交付決定前の発注・契約・支出はすべて対象外です。災害支援枠でも同様の定めがないかを公募要領で確認してください
- 補助金は精算払いです。支出はいったん自己資金または借入で立て替えることになります
通常枠の入金までの流れは精算払いの記事で、交付決定前の発注が対象外になる点は交付決定前の発注に関する記事で解説しています。
被災時こそ注意したい勧誘と情報の見分け方
災害のあとは、補助金の申請を代行するという勧誘が増えやすい局面です。公式サイトでは、キャッシュバック、キックバック、実質無料をうたう勧誘業者について、不正行為の可能性があると名指しで注意喚起されています。
| 公式に不正とされている行為 | 内容 |
| 代行業者への還流 | 着手金や成功報酬の一部を還流させる契約は不正受給にあたる |
| GビズIDの共有 | 補助対象者以外がIDを共有され、本人に成り代わって申請手続きを行うことは不正 |
| 実態のない納品・実施 | 購入・納品したことになっているが実際は納品されていない、広報するはずが実施していない |
| 他制度との重複受給 | 同一内容で国の他補助金と重複して受給すること |
発覚した場合は、交付決定の取消と返還命令(加算金付き)に加え、不正内容の公表、そして補助金適正化法にもとづく5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。被災して余裕がないときほど、うまい話に見える提案には距離を置いてください。
また、補助金は商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組むことが前提の制度です。一般型 通常枠では、社外の代理人のみに相談・依頼する形は認められておらず、事業支援計画書(様式4)の発行も窓口で受けることになります(P.6、P.22〜23)。まずは地域の窓口に相談するのが、遠回りに見えて確実な進め方です。支援者を選ぶ際の考え方はコンサルの選び方の記事、費用の相場感は申請代行費用の記事で扱っています。
出典・参考情報
最終更新日: 2026年9月11日。災害支援枠については公式サイトで確認できた公募状況のみを記載し、補助率・補助上限額・対象経費など確認できていない項目はその旨を明記しています。一般型 通常枠に関する記述は第20回公募 公募要領 第8版にもとづいています。日程・要件・金額は変更される場合がありますので、必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事は採択や補助額を保証するものではありません。