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持続化補助金のチラシ・広報費|上限30万円と対象範囲

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この記事の結論

チラシ、パンフレット、ポスターといった広報物にかかる費用は、持続化補助金の対象経費8区分のうち広報費で扱うのが一般的です。ただし公募要領が明示しているのは、上限額、単独申請ができないこと、単なる会社PRや求人広告が対象外であることの3点であり、個別の広報物が対象になるかどうかは内容によります。

チラシを作りたいときに最初に知ること

チラシ、パンフレット、ポスターといった広報物にかかる費用は、持続化補助金の対象経費8区分のうち広報費で扱うのが一般的です。ただし公募要領が明示しているのは、上限額、単独申請ができないこと、単なる会社PRや求人広告が対象外であることの3点であり、個別の広報物が対象になるかどうかは内容によります。判断に迷うものは、見積の内訳を持って商工会・商工会議所の窓口で確認してください。

第20回の広報費で押さえる3点

  • 補助金交付申請額の上限は定額30万円(税込)。第19回までの1/4ルールは適用されない(P.13)
  • 広報費だけを計上した単独申請は不可。他の区分の取組と組み合わせる(P.13)
  • 単なる会社PR・求人広告は対象外(P.13)

この制度は販路開拓等の取組を支援するものであり、事業効果報告書の提出時点で売上高や売上総利益の増加が見込める事業であることが対象事業の要件です(P.6)。広報物についても、それを配ることで誰にどう届き、どう売上につながるのかが問われます。会社の存在を知ってもらうこと自体を目的にした広報は、この観点で弱くなります。

制度全体の枠組みは持続化補助金2026完全ガイドに、8つの区分の一覧は対象経費一覧の記事にまとめています。

上限は定額30万円(第19回までとの違い)

広報費の上限の決め方は、第20回で変更されました。ウェブサイト関連費と同じ改正です。

項目第19回まで第20回
広報費の上限補助金交付申請額の1/4(最大50万円)という按分ルール補助金交付申請額の上限は定額30万円(税込)
ウェブサイト関連費の上限同じく按分ルール補助金交付申請額の上限は定額30万円(税込)
単独申請不可不可(変更なし)
根拠第19回のよくあるご質問公募要領第8版 P.13、P.14

按分ルールでは、全体の補助金額が大きくなれば広報費の枠も増えました。第20回は定額なので、全体でいくら申請しても広報費から受け取れる補助金は30万円までです。補助上限250万円をねらう計画でも、この区分の枠は30万円で変わりません。

広報費とウェブサイト関連費は別枠です

どちらも上限30万円ですが、それぞれ別の区分です。広報費で30万円、ウェブサイト関連費で30万円というように、両方の区分を使うこと自体は妨げられていません。ただし、どちらの区分も単独申請は認められていないため、この2区分だけで計画を組むことができるかどうかは窓口で確認してください。

古い解説を見分ける目印は「1/4」「最大50万円」という表記です。第20回の記載は「30万円(税込)」です。金額に関わる説明を読むときは、まず第20回のものかどうかを確かめてください。

広報費で対象になりにくいもの

公募要領は、広報費そのものについて「単なる会社PR・求人広告は対象外」と示しています(P.13)。加えて、すべての区分に共通する対象外経費のなかに、チラシまわりでよく出てくる項目が含まれています。

費目扱い根拠
単なる会社のPR対象外公募要領 P.13
求人広告対象外公募要領 P.13
名刺対象外(消耗品)公募要領 P.18〜20
文房具、インク、用紙、段ボール、梱包材対象外(消耗品)公募要領 P.18〜20
雑誌購読料、新聞代、団体会費対象外公募要領 P.18〜20
他社のための広報対象外公募要領 P.18〜20
成功報酬型・売上連動型の費用対象外公募要領 P.18〜20
商品券・金券・ポイントでの支払い対象外公募要領 P.18〜20
内訳が不明な経費(一式などの記載)対象外になりうる公募要領 P.18〜20

紛らわしいのが名刺です。営業活動で使うものなので広報のつもりで計上したくなりますが、要領では消耗品として対象外に挙げられています。用紙やインクも同じ扱いなので、自社のプリンタでチラシを刷る前提の計画は組み立てにくくなります。

「会社案内」と「販路開拓のための広報」は違います

社名と沿革と所在地を並べた会社案内は、単なる会社PRと判断される可能性があります。対象事業の要件は、販路開拓等の取組であり、売上高や売上総利益の増加が見込めることです(P.6)。どの商品やサービスを、どの客層に、どういう理由で選んでもらうのかが載っている広報物であれば、この要件への説明がしやすくなります。

対象外になりやすい経費の全体像は対象外経費の記事で詳しく扱っています。

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ウェブサイト関連費との切り分け

同じ「宣伝」でも、ウェブに関わるものはウェブサイト関連費の区分になります。第19回のよくあるご質問では、ホームページ制作、システム開発、POSソフト、顧客管理ソフトはすべてウェブサイト関連費であり、委託・外注費や機械装置等費ではないと整理されています(参考情報)。

取組想定される区分備考
ホームページの制作ウェブサイト関連費第19回よくあるご質問(参考情報)
システム開発、POSソフト、顧客管理ソフトウェブサイト関連費第19回よくあるご質問(参考情報)
紙のチラシ、パンフレット、ポスター広報費として計上するのが一般的個別の可否は内容により、窓口で確認する
展示会や商談会への出展展示会等出展費国の助成を一部でも受けるものは対象外
新商品の試作原材料・デザイン新商品開発費テストマーケティングや市場調査の内容と結果の記載が必須
店舗改装など外部への発注委託・外注費自社役員・従業員・3親等以内の親族への発注は対象外

区分を誤ると上限の当てはめが変わってしまいます。広報費もウェブサイト関連費も上限は同じ30万円ですが、両方を使う計画なのか片方に寄せる計画なのかで、受け取れる補助金の総額が変わります。見積を集める段階で、どの作業がどの区分にあたるかを制作会社と整理しておくと、申請時に迷いません。

ウェブ側の詳細はホームページ作成の記事で扱っています。区分の当てはめでよくある誤りは経費区分の間違いの記事にまとめています。

いくら受け取れるのか(モデルケース)

補助率2/3、広報費の補助金上限30万円(税込)という条件から、受け取れる額が決まります。以下は計算例であり、実際の交付額は審査と実績報告の結果によって決まります。

広報費(対象経費)補助率2/3で計算した額実際に受けられる補助金自己負担
15万円10万円10万円5万円
30万円20万円20万円10万円
45万円30万円30万円(上限ちょうど)15万円
60万円40万円30万円(上限で頭打ち)30万円

広報費に45万円を超える経費を積んでも、この区分から受け取れる補助金は30万円で止まります。チラシの部数を増やすより、他の区分の取組を厚くしたほうが全体の補助額は伸びます。

補助率が3/4になる場合

賃金引上げ特例を使う事業者のうち、直近1期または直近1年の課税所得金額がゼロ以下の赤字事業者は、補助率が3/4になります(P.9〜11)。この場合、40万円の広報費で上限の30万円に届きます。ただし特例は、2027年4月1日から2028年3月31日までの期間と前年同月の12か月を比較して、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることが条件です。満たせなかった場合は上乗せ分だけでなく補助金全体が不交付になることがあります。

支払いは先、補助金は後です

補助金は精算払いです。事業を実施して支払いを済ませ、実績報告書を提出し、補助金額が確定してから請求して交付を受けます(P.24〜26)。印刷代が45万円なら、その45万円はいったん全額を自社で支払います。さらに補助金は事業年度の収益として計上され、課税対象になります。

金額の全体設計は補助率と上限額の記事、入金の時期は精算払いと入金の記事で解説しています。

発注のタイミングと見積・支払いのルール

印刷物は納期が短く、思い立ってすぐ発注できてしまいます。しかし補助対象になるのは、交付決定日以降に発生し、補助事業期間内に支払いが完了した経費だけです。採択通知を受け取っただけでは着手できません(P.24〜26)。

実務ルール内容守らなかった場合
着手の時期交付決定日以降に発注・契約・支出するその経費は全額が対象外
相見積発注総額(1件あたり)50万円(税込)超は原則2者以上の見積が必要経費が認められない可能性がある
見積の内訳デザイン、印刷、部数、配布など作業ごとに内訳と必要理由を示す内訳不明な経費は対象外になりうる
支払い方法銀行振込が原則。1取引10万円(税抜)超の現金払いは不可その経費は対象外
使えない決済商品券・金券・仮想通貨・ポイント、小切手・手形・相殺決済その経費は対象外
発注先自社役員・従業員・3親等以内の親族、フランチャイズ本部への発注は不可その経費は対象外
支払いの完了補助事業期間内に支払いを完了させる期間内に支出が完了していないものは対象外

チラシを刷れるのは2027年春以降です

第20回の採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定は採択発表からおおむね1か月から2か月かかります(P.3、P.24)。季節商材の販促を考えている場合、そのタイミングに間に合うかどうかを先に確認してください。補助事業の実施期限は2028年3月31日、見積書等の提出期限は2028年2月29日です。

交付決定前の発注の扱いは交付決定前の発注の記事、見積のルールは見積書と相見積のルールで詳しく扱っています。

作っただけでは足りません(実績報告と証憑)

広報費でとくに注意が必要なのが、実施の証拠です。公式サイトは不正受給の実例として、購入・納品したことになっているが実際は納品されていない、広報するはずが実施していない、といったケースを明示しています。チラシを刷ったが配っていない、という状態はここに触れます。

残しておくもの目的
見積書(相見積が必要な場合は2者以上)積算の妥当性を示す
発注書・契約書交付決定日以降に発注したことを示す
納品書・請求書数量と内容を示す
銀行振込の記録補助事業期間内に支払いが完了したことを示す
現物(チラシ・パンフレット等)実際に制作されたことを示す
配布・掲出の記録広報が実施されたことを示す

関係書類は事業終了後5年間の保存義務があり、会計検査院等の検査対象になります(P.24〜26)。実績報告書の提出期限は第20回受付締切分で2028年4月10日です。報告の段階で慌てないよう、発注から配布までを進めながら記録を残していくのが確実です。

不正が発覚したときの処分

交付決定の取消、加算金を付した返還命令、不正内容の公表に加えて、補助金適正化法により5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。また、キャッシュバックやキックバック、実質無料をうたう勧誘業者については、公式サイトが不正行為の可能性があると名指しで注意喚起しています。印刷会社から同様の提案を受けた場合は、契約前に商工会・商工会議所へご相談ください。

実績報告の手順は実績報告の記事にまとめています。

事業計画での書き方

審査は非公開の書面審査で、ヒアリングはありません(P.32〜41)。計画審査では、自社の経営状況分析の妥当性、経営方針・目標とプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明性と適切性が見られます。チラシの計画で弱くなりやすいのは3つ目と4つ目です。

審査の観点チラシの計画で書くべきこと
自社の経営状況分析の妥当性いまの客層と商圏、既存の集客経路で届いていない層を示す
経営方針・目標とプランの適切性誰にどの商品を売るのか、売上高や売上総利益をどう増やすのかを示す
補助事業計画の有効性配布の範囲、部数、時期、想定する反応率の根拠、配布後にどう受けるのか
積算の透明・適切性デザイン費、印刷単価、部数、配布費を分けた内訳

「認知度を上げる」だけでは、売上高や売上総利益の増加が見込める事業であることの説明になりません。対象事業の要件として、事業効果報告書の提出時点で増加が見込めることが定められており、様式2に定量的な根拠を記載することになっています(P.6)。配布部数と想定する反応、そこから見込む客数と単価を、自社の実績を根拠に書き起こしてください。

受け皿まで書くと計画がつながります

チラシを配った後に問い合わせをどこで受けるのか、来店した客をどう接客するのか、といった受け皿まで書くと、補助事業計画の有効性という観点への回答になります。予約の導線や店舗での案内など、他の区分の取組と組み合わせている場合は、その関係も明示してください。

計画書の書き方は事業計画書の書き方、審査の観点は審査基準の記事で詳しく解説しています。

よくある誤解

広報費まわりで実際に起きやすい行き違いをまとめます。

よくある誤解実際
広報費は交付申請額の1/4まで使える第20回は補助金交付申請額の上限が定額30万円(税込)(P.13)
チラシの制作だけで申請できる広報費の単独申請は不可(P.13)
会社案内のパンフレットも対象になる単なる会社PRは対象外(P.13)
求人チラシも販路開拓の一部求人広告は対象外(P.13)
名刺の印刷も広報費で計上できる名刺は消耗品として対象外(P.18〜20)
自社プリンタで刷る用紙代も対象用紙やインクは消耗品として対象外(P.18〜20)
採択されたらすぐ印刷を発注してよい交付決定日以降でなければ対象外(P.24〜26)
刷って在庫に置いておけば報告できる広報するはずが実施していないケースは不正の例として公式に挙げられている

もうひとつ見落とされやすいのが、同一内容で国の他の補助金と重複して受給できないという点です。第19回のよくあるご質問では、同一事業者が同一内容の事業について国の他の補助事業と重複して受給することはできないと整理されています(参考情報)。同じチラシの制作費を別の補助金にも出す、という扱いはできません。

第20回の日程から逆算した進め方

広報の計画は、配布する時期が決まっていることが多いため、日程の整合が重要になります。第20回の日程に合わせた段取りは次のとおりです。

時期やること注意点
2026年9月から10月GビズIDプライムを取得し、計画の骨子を作る取得に数週間かかる(P.22)
2026年10月印刷会社やデザイナーに内訳を分けた見積を依頼するデザイン、印刷、部数、配布を分けてもらう
2026年10月から11月商工会・商工会議所に相談し、様式4の発行を依頼する面談枠は締切前に埋まる
2026年11月5日申請受付開始。電子申請システムへの入力を始める郵送は不可(P.3)
2026年12月4日様式4の発行受付締切過ぎるといかなる理由でも発行不可(P.3、P.23)
2026年12月15日 17:00申請受付締切電子申請システムのみ(P.3)
2027年3月頃採択発表申請数等により変動(P.3)
交付決定後(2027年春以降の見込み)デザインと印刷を発注し、配布する交付決定前の発注は対象外
2028年2月29日見積書等の提出期限過ぎると採択取消
2028年4月10日実績報告書の提出期限第20回受付締切分

季節性のある商材では、配布したい時期が交付決定より前に来てしまうことがあります。その場合は、補助対象とする広報を次のシーズンに設定するか、別の区分の取組を先に進めるかを検討してください。日程の詳細は第20回のスケジュール解説、申請の全工程は申請の流れで確認できます。

出典・参考情報

最終更新日: 2026年9月11日。本記事は第20回公募 公募要領 第8版の内容にもとづいています。個別の広報物が対象経費に該当するかどうかは内容によって判断が分かれるため、本記事では要領に記載のある範囲のみを示しています。日程・要件・金額は変更される場合がありますので、必ず各公式サイトおよび商工会・商工会議所でご確認ください。本記事の計算例はモデルケースであり、採択や補助額を保証するものではありません。

よくある質問(FAQ)

A

できません。広報費は、この区分だけを計上した単独申請が認められていません(公募要領第8版 P.13)。同じ制約はウェブサイト関連費にもかかっています。機械装置等費、展示会等出展費、新商品開発費、委託・外注費など、他の区分の取組と組み合わせて計画を立てる必要があります。

A

第20回では、広報費の補助金交付申請額の上限は定額30万円(税込)です(P.13)。補助率は2/3なので、45万円の対象経費で上限の30万円に達し、それ以上かけてもこの区分から受け取れる額は増えません。賃金引上げ特例を使う赤字事業者は補助率が3/4になるため、40万円の経費で30万円に届く計算です。

A

1/4(最大50万円)は第19回以前のルールです。第20回では、広報費とウェブサイト関連費のいずれも補助金交付申請額の上限が定額30万円(税込)に変更されています(P.13、P.14)。古い解説が多く残っているため、金額に関わる説明は第20回のものかどうかを確かめてからご利用ください。

A

公募要領では、単なる会社のPRは広報費の対象外とされています(P.13)。社名や沿革、所在地を並べただけの会社案内は、この対象外に当たると判断される可能性があります。対象事業の要件は販路開拓等の取組であり、売上高や売上総利益の増加が見込めることです(P.6)。どの商品を、どの客層に、なぜ選んでもらうのかが示された内容であれば説明がしやすくなります。個別の判断は窓口でご確認ください。

A

なりません。求人広告は広報費の対象外として要領に明記されています(P.13)。人手不足の解消が売上増加につながるという説明をしたとしても、求人広告そのものは対象になりません。

A

いずれも対象外です。名刺、文房具、インク、用紙、段ボール、梱包材といった消耗品は、すべての区分に共通する対象外経費として要領に挙げられています(P.18〜20)。自社のプリンタで刷る前提の計画は組み立てにくいため、外部への発注を前提に見積を取ってください。

A

いいえ。補助対象になるのは交付決定日以降に発生し、補助事業期間内に支払いが完了した経費だけです(P.24〜26)。第20回は採択発表が2027年3月頃の予定で、交付決定はそこからおおむね1か月から2か月かかります。実際に発注できるのは2027年の春以降になるため、季節商材の販促では時期の整合を先に確認してください。

A

避けてください。公式サイトは不正受給の実例として、広報するはずが実施していないケースを明示しています。発覚した場合は交付決定の取消、加算金を付した返還命令、不正内容の公表に加えて、補助金適正化法により5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。配布や掲出の記録を残しながら進めてください。関係書類は事業終了後5年間の保存義務があります(P.24〜26)。

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本記事の監修

齊木祐介(株式会社ASI 代表取締役)

AI・ロボティクスの導入支援、補助金・助成金の活用支援、専門メディアの運営など複数事業を統括。実務で得た知見をもとに、本サイトの情報を監修しています(運営:株式会社ASI)。

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