持続化補助金で展示会出展|対象になる費用と申込みの時期
申請実務
公開: 2026年9月11日
更新: 2026年9月11日
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この記事の結論
小規模事業者持続化補助金の一般型 通常枠で補助対象になる経費は8区分に限られます(公募要領第8版 P.11)。そのうち第4区分が展示会等出展費で、要領は、新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費と定義しています。
展示会等出展費とは何か
小規模事業者持続化補助金の一般型 通常枠で補助対象になる経費は8区分に限られます(公募要領第8版 P.11)。そのうち第4区分が展示会等出展費で、要領は、新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費と定義しています。区分名に「オンラインによる展示会・商談会等を含む」と明記されているため、会場に出向く形式に限られません(P.11、P.15)。
展示会出展は、持続化補助金の趣旨である販路開拓ともっとも相性のよい取組のひとつです。設備投資と違って形が残らない代わりに、成果が商談件数や受注という形で説明しやすく、事業計画の筋が通りやすいという特徴があります。
展示会出展で最初に押さえる5点
- 出展料等に加えて、関連する運搬費・通訳料・翻訳料も対象(P.15)
- レンタカー代、ガソリン代、駐車場代は運搬費から除かれる(P.15)
- 出展の申込みだけは交付決定前でも可。ただし請求書の発行日は交付決定日以後(P.15、P.19)
- 会場との往復の交通費・宿泊費は④ではなく⑤旅費で計上(P.15)
- 出展にあたり必要な機械装置等の購入は①機械装置等費、自社開催イベントの会場費は⑦借料(P.15)
補助率は2/3、基本の補助上限は50万円で、インボイス特例に該当すれば50万円、賃金引上げ特例に該当すれば150万円が上乗せされ、両方に該当する場合は最大250万円になります(P.7〜11)。制度全体は持続化補助金2026完全ガイドで確認できます。
対象になる費用の範囲
要領は、展示会出展の出展料等に加えて、関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)、通訳料、翻訳料も補助対象となると定めています(P.15)。出展料だけが対象と思われがちですが、展示物を会場に送る費用や、海外バイヤー向けの通訳・翻訳まで含められる点は押さえておきたいところです。
| 費用 | 扱い | 根拠・補足 |
| 展示会・商談会の出展料、参加料 | 対象 | 区分の中心となる経費(P.15) |
| オンライン展示会・オンライン商談会への参加費 | 対象 | 区分名にオンラインによる展示会・商談会等を含むと明記(P.11、P.15) |
| 展示物の運搬費 | 対象 | 出展に関連する運搬費(P.15) |
| レンタカー代・ガソリン代・駐車場代 | 対象外 | 運搬費から明示的に除かれている(P.15) |
| 通訳料 | 対象 | 出展に関連するものとして明記(P.15) |
| 翻訳料 | 対象 | ただし実績報告の際に提出する証拠書類の翻訳料は対象外(P.15) |
| 主催者から義務付けられた保険料 | 対象 | 各種保証・保険料は原則対象外だが、展示会等出展で主催者から義務付けられたものは対象(P.19) |
| ブースで配るカタログ・チラシ | ②広報費 | チラシ・カタログの外注や発送は広報費の対象経費例(P.13)。広報費の上限は30万円(税込) |
海外展示会等の出展費用を計上するにあたり、外国語で記載の証拠書類等を実績報告時に提出する場合には、当該書類の記載内容を日本語で要約・説明する書類もあわせて提出する必要があります(P.15)。この要約は自社で作成する前提で、外注した場合の翻訳料が実績報告のための証拠書類の翻訳にあたるなら対象外になる点に注意してください。
対象外になる展示会出展費
要領は、展示会等出展費のうち対象外となるものを個別に列挙しています(P.15)。共通の対象外経費とは別に、この区分固有の除外があるため、申し込む展示会を決める段階で確認しておく必要があります。
| 対象外となるもの(P.15) | 読み解き方 |
| 国(国以外の機関が国から受けた補助金等により実施する場合を含む)により出展料の一部助成を受けるもの | 出展料が一部でも国の助成を受けている展示会は対象外。主催者の案内に助成の記載がないか確認する |
| 請求書の発行日や出展料等の支払日が交付決定日より前となるもの | 申込みは交付決定前でも可だが、請求と支払は交付決定日以後でなければならない |
| 販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないもの | 物販イベントのように、その場で売って終わる催しは趣旨に合わない |
| 補助事業期間外に開催される展示会等に係るもの | 開催日が補助事業期間内にあることが必要 |
| 選考会、審査会(○○賞)等への参加・申込費用 | コンテスト応募は展示会出展ではない |
| 実績報告の際に提出する証拠書類の翻訳料 | 出展のための翻訳料とは区別される |
| 文房具等の事務用品等の消耗品代 | 共通の対象外経費にも消耗品が挙がっている(P.19) |
| 飲食費を含んだ商談会参加費等 | 茶菓、飲食、奢侈、娯楽、接待の費用は共通の対象外(P.19) |
国の助成が入っている展示会は先に確認する
自治体や業界団体が主催する展示会でも、国の補助金等を原資に出展料が減額されている場合があります。要領は、国以外の機関が国から受けた補助金等により実施する場合を含むと明記しているため、主催が民間や自治体であっても対象外になりうるということです(P.15)。出展料の案内に助成や補助の記載があるときは、主催者に原資を確認してから申し込むと安全です。
共通の対象外経費の全体像は対象外になる経費で確認できます。
申込みは交付決定前でもよいという例外
持続化補助金の大原則は、交付決定日より前に発注・契約、購入、支払(前払いを含む)を実施したものは対象外というものです(P.19)。展示会等出展費には、この原則に対する明文の例外が置かれています。
要領は、対象外となる経費の列挙の中で、展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となる、ただし請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外である、と注記しています(P.19)。展示会等出展費の項目でも、出展申込みは交付決定前でも構わないと記載されています(P.15)。
| 行為 | 交付決定前 | 交付決定日以後 |
| 展示会への出展申込み | 可(例外として認められる) | 可 |
| 出展料の請求書の発行 | 不可(対象外になる) | 必要 |
| 出展料の支払 | 不可(対象外になる) | 必要 |
| 展示物の運搬の発注・支払 | 不可 | 必要 |
| その他の区分の発注・契約・支払 | 不可 | 必要 |
この例外が置かれている理由は実務的です。人気のある展示会は出展枠が早期に埋まり、交付決定を待っていると申し込めないことがあります。一方で、補助金の適正な執行のためには支出が交付決定後であることが必要です。そこで、枠を押さえる行為だけを先に認め、金銭の請求と支払は交付決定後に行うという整理になっています。
主催者に支払時期を相談しておく
展示会によっては、申込みと同時に出展料の全額前払いを求める運用があります。その場合、支払日が交付決定日より前になり対象外になってしまいます。申込みの段階で、請求書の発行日と支払期限を交付決定後に調整できるか主催者に相談し、やり取りの記録を残しておいてください。交付決定のタイミングは採択発表からおおむね1か月から2か月とされています(P.3、P.24)。
交付決定前の発注が原則として認められない理由と、他の区分での扱いは交付決定前の発注は対象外にまとめています。
会場までの交通費・宿泊費は旅費で計上する
展示会に出るときの移動と宿泊にかかる費用は、④展示会等出展費ではなく⑤旅費で計上します。要領は旅費を、補助事業計画(様式2)に基づく販路開拓(展示会・商談会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費と定義しています(P.15)。
旅費には条件があります。補助事業計画に基づく販路開拓を行うための出張である旨を記載した出張報告の作成等により必要性が確認できるものが対象で、補助事業計画に明記されていない出張は対象外です。通常の営業活動に要する経費とみなされる場合も対象外になります。補助対象経費は国が定める旅費の支給基準を踏まえた基準により算出し、移動に要する経費は公共交通機関を用いた最も経済的および合理的な経路により算出された実費となります。必要最低限の人数分のみが対象です(P.15〜16)。
| 費用 | 扱い | 根拠(P.16) |
| 展示会出展に係る宿泊施設への宿泊代 | 対象 | 対象となる経費例に明記 |
| バス運賃・電車賃・新幹線料金(指定席購入を含む) | 対象 | 対象となる経費例に明記 |
| 航空券代(燃油サーチャージを含む) | 対象(エコノミークラス分の料金まで) | 対象となる経費例に明記 |
| 航空保険料、出入国税 | 対象 | 対象となる経費例に明記。公租公課のうち出入国税は補助対象(P.19) |
| 日当 | 対象外 | 対象とならない経費例に明記 |
| ガソリン代・駐車場代・タクシー代・レンタカー代・高速道路通行料 | 対象外 | 対象とならない経費例に明記 |
| グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分 | 対象外 | 対象とならない経費例に明記 |
| 朝食付き・温泉入浴付き宿泊プランの朝食料金・入浴料相当分 | 対象外 | 対象とならない経費例に明記 |
| 視察・セミナー等参加のための旅費、個社同士の商談や単なる営業活動に係る旅費 | 対象外 | 対象とならない経費例に明記 |
| パスポート取得料、国の助成制度を利用して支払われた経費 | 対象外 | 対象とならない経費例に明記 |
自家用車で会場に向かう計画は、ガソリン代も駐車場代も高速道路通行料も対象外になるため、旅費としてはほとんど計上できません。宿泊を伴う場合は、朝食が別料金のプランを選ぶか、明細で朝食分が分かる形にしておくと精算が通りやすくなります。旅費の支給基準は、後日公開される別紙「参考資料」を参照するよう案内されています(P.15)。
展示会まわりの経費の区分早見
展示会出展は複数の区分にまたがりやすい取組です。要領は、出展等にあたり必要な機械装置等の購入は①機械装置等費に該当すること、自社で開催するイベントの会場を借りるための費用は⑦借料に該当することを明記しています(P.15)。商品・サービスPRイベントの会場を借りるための費用も⑦借料です(P.17)。
| 費用 | 区分 | 根拠 |
| 展示会の出展料、運搬費、通訳料、翻訳料 | ④展示会等出展費 | P.15 |
| 会場との往復の交通費、宿泊費 | ⑤旅費 | P.15 |
| 出展にあたり必要な機械装置等の購入 | ①機械装置等費 | P.15 |
| ブースで配るチラシ・カタログ、販促品、のぼりや看板の作成 | ②広報費 | P.13。上限30万円(税込) |
| 展示会に合わせたウェブサイトの更新、商品動画の制作 | ③ウェブサイト関連費 | P.13〜14。上限30万円(税込) |
| 展示会で配る新商品の試作品の原材料、包装パッケージの試作デザイン | ⑥新商品開発費 | P.16 |
| 展示で使う機材のレンタル料、自社開催イベントの会場費 | ⑦借料 | P.15、P.17 |
| ブース装飾の造作を業者に外注する費用 | ⑧委託・外注費 | P.17。①から⑦に該当しない委託・外注 |
区分をまたぐ計画では、見積書を区分ごとに分けて取得し、積算表でも分けて記載します。内訳が不明な経費(諸経費など)は対象外です(P.19)。区分の当てはめでよくある誤りは経費区分の間違いやすい例に整理しています。展示会等出展費そのものの範囲は展示会等出展費の用途別ページでも扱っています。
審査に耐える出展計画の書き方
展示会出展は申請が通りやすいと言われることがありますが、要領には出展すれば認められるとは書かれていません。計画審査では、自社の経営状況分析の妥当性、経営方針・目標とプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明・適切性が見られます(P.32〜41)。対象外の例として、販売のみを目的とし販路開拓に繋がらないものが挙がっている以上、出展の目的を販路開拓として説明できるかが分かれ目になります。
| 観点 | 書き方の方向 |
| なぜその展示会か | 来場者の属性と自社の狙う取引先が一致していることを、主催者公表の情報で説明する |
| 何を出すのか | 新商品等を展示または商談会に参加するという区分の定義に沿って、出品物を特定する |
| 出展後に何をするのか | 名刺交換で終わらせず、見積提出やサンプル送付までの流れを書く |
| 準備物との関係 | カタログ(②)、動画(③)、試作品(⑥)など他区分の取組とのつながりを示す |
| 売上・売上総利益の見込み | 事業効果報告書の提出時点で増加が見込める事業であることが対象事業の要件(P.6) |
| 積算の根拠 | 出展料、小間装飾、運搬、通訳を分けて記載する |
要領は、補助事業終了後おおむね1年以内に売上げにつながる見込みがない事業を対象外の例に挙げています(P.7)。展示会は成果が出るまで時間がかかることもあるため、出展後のフォローの工程まで書いておくと計画の実現性が伝わります。様式2の構成に沿った書き方は事業計画書の書き方を参照してください。
支払方法と実績報告で必要になるもの
展示会出展は、支払方法と証憑の面でもルールがあります。補助対象経費の支払方法は銀行振込が大原則で、旅費や現金決済のみの取引を除き、1取引10万円超(税抜)の現金支払は認められません。小切手・手形・相殺による支払いも不可です。クレジット払いは申請する事業者の名義であり、補助事業期間内に金融機関等からの引き落としが完了しているものに限られます(P.21)。
また、事業実施内容の確認のために必要な証憑(成果物の写真、業務完了報告書、その他事務局が事業実態の確認のために提出を求めるもの)を用意できないものは対象外とされています(P.19)。展示会は終わると形が残らないため、現場での記録が重要になります。
| 場面 | 残しておく資料 |
| 出展の申込み | 申込書の控え、主催者とのやり取り、出展規約 |
| 請求と支払 | 交付決定日以後の日付の請求書、振込控 |
| 出展当日 | 自社ブースの写真、展示物が写った写真、会場全体の様子 |
| 運搬 | 運送業者の請求書、送り状の控え |
| 通訳・翻訳 | 契約書、業務完了報告書、成果物 |
| 海外展示会 | 外国語の証拠書類と、その内容を日本語で要約・説明する書類(P.15) |
| 出展後 | 商談記録、見積提出やサンプル送付の記録(事業効果の説明に使える) |
関係書類は補助事業の終了後5年間の保存義務があり、会計検査院等の検査対象になります(P.24〜26)。実績報告の具体的な流れは実績報告の手順で確認してください。
第20回の日程から出展時期を逆算する
展示会は開催日が先に決まっているため、補助金の日程との突き合わせが欠かせません。第20回の日程は、申請受付開始が2026年11月5日、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が2026年12月4日、申請受付締切が2026年12月15日17時です。採択発表は2027年3月頃の予定、見積書等の提出期限は2028年2月29日、補助事業の実施期限は2028年3月31日、実績報告書の提出期限は2028年4月10日です(P.3、P.24)。
| 時期 | やること | 展示会出展での注意点 |
| 2026年秋 | 出展候補の展示会を絞る | 開催日が補助事業期間内か、国の出展料助成がないかを確認 |
| 2026年11月5日以降 | 様式2・様式3を作成し、様式4の発行を依頼 | 出展の狙いと出展後のフォローまで書く |
| 2026年12月4日 | 様式4の発行受付締切 | 過ぎるといかなる理由でも発行されない |
| 2026年12月15日17時 | 申請受付締切 | 電子申請のみ。郵送は不可 |
| 2027年3月頃 | 採択発表 | 交付決定はさらにおおむね1か月から2か月後 |
| 交付決定後 | 請求書の発行を受け、支払を実行 | 申込みは事前に可。請求書の発行日は交付決定日以後 |
| 2028年3月31日まで | 展示会に出展し、事業を終える | 開催日が期間内であること |
| 2028年4月10日まで | 実績報告書を提出 | 写真と証憑を揃える |
要領は、採択結果の公表および交付決定が当初予定より遅延する場合があるため、スケジュールに十分な余裕を確保したうえで補助事業の計画を策定するよう求めています(P.15)。開催が交付決定の直後になりそうな展示会を選ぶと、遅延がそのまま計画の破綻につながります。日程の全体像は第20回のスケジュール解説で確認してください。
出展でよくある取り違え
最後に、展示会出展の相談で実際に取り違えが起きやすい点をまとめます。いずれも要領に明記があるものです。
| よくある思い込み | 要領の記載 |
| 会場までの交通費も展示会等出展費で出せる | 会場との往復は⑤旅費の定義に含まれ、旅費として計上する(P.15) |
| 車で荷物を運べば運搬費になる | レンタカー代、ガソリン代、駐車場代は運搬費から除かれる(P.15) |
| コンテストや賞の応募も出展の一種 | 選考会、審査会(○○賞)等への参加・申込費用は対象外(P.15) |
| その場で売ることが目的でも構わない | 販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないものは対象外(P.15) |
| 交流会形式の商談会の会費も対象 | 飲食費を含んだ商談会参加費等は対象外(P.15) |
| 申込みが先なら支払も先でよい | 請求書の発行日や支払日が交付決定日より前となるものは対象外(P.15) |
| 自社で開く展示イベントの会場費も④ | 自社で開催するイベントの会場を借りるための費用は⑦借料(P.15) |
| 出展料が割引されている展示会のほうが得 | 国により出展料の一部助成を受けるものは対象外(P.15) |
迷ったら窓口で確認する
この補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であることが対象事業の要件になっています(P.6)。事業支援計画書(様式4)の発行を受ける面談は、出展予定の展示会が対象になるかを確認する機会でもあります。展示会の案内、出展料の内訳、支払条件が分かる資料を持参すると、その場で判断がつきやすくなります。
出典・参考情報
最終更新日: 2026年9月11日。本記事は第20回公募 公募要領 第8版の内容にもとづいています。日程・要件・金額は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。個別の展示会が対象になるかどうかは、地域の商工会・商工会議所および補助金事務局にご確認ください。